「リアルタイム」は本当にリアルタイムか?純粋ストリーミングと擬似ストリーミングの違い
同じ「リアルタイム音声認識API」でも、発話中に文字が出る方式と、文末まで待つ方式があります。返却タイミング・接続方式・中間結果から純粋ストリーミングと擬似ストリーミングを比較します。

製品ページに「ストリーミング対応」と書かれていれば、話すそばから文字が出ると思うかもしれません。ところが実際には、発話中は何も表示されず、一文が終わった瞬間に全文が現れるサービスもあります。
これは数百ミリ秒の性能差ではなく、結果を返す仕組みそのものの違いです。字幕、コンプライアンス監視、Voice Agentでは、発話中に文字が出るかどうかが体験を左右します。
先に結論
純粋ストリーミングは発話中に中間結果を継続して返します。擬似ストリーミングは通常、一文が終わってから完成したテキストを返します。リアルタイム介入が必要なら、「streaming」という表記より、文字がいつ出始めるかを確認してください。
DolphinVoiceの活用シーン・機能・価格違いは「少し速いか」ではなく、文字がいつ返るか
音声認識APIは、マイク・電話・ライブ配信の音声を認識エンジンへ送り、テキストをアプリへ返します。どちらの方式も音声を継続的に受け取れますが、テキストを返すタイミングは大きく異なります。
DolphinVoiceリアルタイム音声認識デモ純粋ストリーミング:話しながら返す
WebSocketなどの永続接続を保ち、数十ミリ秒単位の音声を送り続けます。エンジンは中間結果を先に返し、文末で確定結果へ切り替えます。
擬似ストリーミング:一文の終わりを待つ
音声を分割して送るか一定間隔でリクエストし、文末を検出してから全文を返します。実装しやすく、短い音声コマンドや事後確認には十分な場合がありますが、発話が長いほど待ち時間が目立ちます。
純粋ストリーミングと擬似ストリーミングの比較2つの方式を比較する
| 比較項目 | 従来の擬似ストリーミング | 純粋ストリーミング |
|---|---|---|
| 文字が出るタイミング | 一文が終わってから | 話している最中 |
| 返却単位 | 文単位でまとめて | 文字・単語単位で逐次 |
| 接続方式 | HTTPの断続接続 | WebSocketの永続接続 |
| 中間結果 | なし | あり(interim / final) |
| リアルタイム介入 | 難しい | 可能 |
| 実装難易度 | 比較的やさしい | やや高度 |
本当の純粋ストリーミングを見分ける3問
「リアルタイム」「ストリーミング」という言葉だけで判断せず、次の3点を確認します。
本当の純粋ストリーミングを見分ける3問
1: 話している最中に文字が出るか。出なければ擬似ストリーミングの可能性が高いです。
2: 中間結果が継続して返るか。確定結果しかない場合、純粋ストリーミングの体験にはなりません。
3: WebSocketなどの永続接続か。リクエストごとに切断する方式は擬似ストリーミングに近いです。
DolphinVoiceが実現する純粋ストリーミング
DolphinVoiceはWebSocketの永続接続で音声を受け取り、発話中から文字を逐次表示します。認識性能に加え、同時接続や実運用に必要な機能を備え、既存システムやアプリへ組み込めます。
話しながら文字が出る
文字・単語単位で逐次返却し、中間結果から確定結果へ滑らかに切り替えます。
低遅延処理
音声フレーム処理は0.5msレベル、文末確定は約800ms、初回応答は約1000ms、RTFは0.3以下です。
高い同時処理数
1つのAPIキーで最大3000の同時接続に対応します。
単語単位の話者ラベル
発言者を単語単位で記録し、誰が何を話したかを保ちます。
実運用機能
最大20000件のhotwords、フィラーワード除去、correction_words、ITNに対応します。
時間課金
価格は1時間あたり72円からで、利用コストを見積もりやすくなっています。
技術スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 方式 | 純粋ストリーミング(WebSocket永続接続) |
| 処理遅延 | 0.5ms(音声フレーム) |
| 文末確定遅延 | 約800ms |
| 初回応答 | 約1000ms |
| RTF | 0.3以下 |
| 同時接続数 | 最大3000 |
| 連続稼働 | 最大37時間 |
| 認識精度(CER) | 5〜10% |
| 単語登録上限 | 最大20000件 |
| 価格 | 72円/時間〜 |
「文字を待てない」5つのシーン
純粋ストリーミングの価値は、一文の終わりを待てない現場で最も明確になります。
Before: 通話終了後に書き起こすため、品質確認や指導は事後になります。
After: 通話をリアルタイムでテキスト化し、危険・禁止表現を即時検知します。
ポイント: 問題が広がる前にスーパーバイザーが介入できます。
Before: 字幕を後から作成するため、ライブ視聴者に情報が届きません。
After: 話している最中に字幕が表示されます。
ポイント: 聴覚障害のある視聴者や多言語ユーザーへその場で情報を届け、字幕遅延による離脱を抑えます。
Before: 発話全体を待ってから応答を準備するため、会話に不自然な間が生まれます。
After: 発話中から内容を捉え、意図判断やフィードバックを準備できます。
ポイント: ターン制御が自然になり、人同士に近い対話を実現できます。
Before: 会議後に録音を送り、議事録を数時間待ちます。
After: 会議中にテキストを生成し、単語単位の話者ラベルを付けます。
ポイント: 終了直後に共有でき、決定事項の抜けもその場で補えます。
Before: 通話を事後にサンプリングし、問題のある会話を見落とす可能性があります。
After: 全通話をリアルタイムで監視し、必須案内や禁止表現を即時確認します。
ポイント: 抜き取りから全量監査へ広げ、判定ログを監査証跡として残せます。
選定で最後に見るべきこと
短い音声コマンドや事後確認なら、擬似ストリーミングで十分な場合があります。字幕同期、即時アラート、自然な対話が必要なら、発話中に文字が出続けるかを確認してください。方式の優劣ではなく、結果が必要になるタイミングとの適合が重要です。
「リアルタイム」を実際に確かめる
無料トライアルで、中間結果が確定結果へ変わる流れを確認できます。
記事を共有
もっと読む

DolphinVoiceとは?
DolphinVoiceは日本市場に特化し、音声認識と発音評価を中核に、日本企業・教育機関・多言語対応の現場へAPI、SaaS、スマートデバイスを提供します。

コールセンター向けオンプレミス音声認識:CPU vs GPU、賢い選択で劇的にコスト削減
本記事では、CPUベースのオンプレミス音声認識ソリューションに焦点を当て、DolphinVoiceの技術がいかにコスト削減と高性能を両立させているかを、具体的な数値データとともに解説します。

音声認識処理速度(二):リアルタイム音声認識
この記事ではリアルタイム音声認識における速度指標であるテイルパケット遅延(TPL)について紹介しています。DolphinVoiceは、TPLを最適化することで、リアルタイム音声認識シーンに最適な使用体験を提供します。